シッチェスレビュー企画第2弾は本場シッチェス映画祭でジュノー・テンプルが主演女優賞を受賞した『トランストリップ』。クレイアニメ作品『ピクニック』の竹内監督によるレビューです。レンタル開始、ブルーレイ・DVD・デジタル配信リリースは2月25日より。
学生残酷映画祭2014上映作『ピクニック』竹内満衣子監督によるレビュー
主人公アリシア、従姉妹のサラとその友人たちで行くはずだった旅行からサラが離脱してしまい、アリシアは一人で見知らぬサラの友人たちと過ごすことになります。その道中で起こる様々な出来事を通して、アリシアは従姉妹の友人たちに不信感を持ち、精神的に疲弊していきます。
最初から最後まで、なんとなくちょっと嫌だなという気持ちが続く映画です。「これ以上悪い方向に行かないでくれ」と思っている間にもどんどん話が悪い方へ進み、ハラハラしつつも面白く観れました。ぼんやりとした居心地の悪さ、得体の知れない不気味さを体感できる映画です。
学生残酷映画祭実行委員会によるレビュー
ラテンビート映画祭で特集も組まれたセバスティアン・シルバ監督による愉快な鬱映画。ジュノー・テンプル演じるいたいけなアメリカ娘が、旅行先のチリでの些細なできごとの鬱積や死にゆく動物達の残響(鳥と犬はキー)に苛まれて精神に異常を来していく様子を、静かに神経を逆撫でするような演出を積み重ねて綴っていく。アリシアを置いて途中下車する従姉、やたら催眠術を披露したがるその彼氏、終始PMS状態のその姉、チリかぶれのエセオネエ風マイケル・セラ(!)…と旅の仲間はひたすらウザいが、物語の進展や視点の移行に伴って印象も変わる、万華鏡的な人物描写が興味深い。クリストファー・ドイル(!!)の撮影も手伝って、いくら寝返りを打っても寝つけない夜のような、気持ち悪いのに異常に心地良い手触り。
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